ただのOLのブログ

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ミュージカル『ローマの休日』 博多公演 感想

 振り返れば劇場に足を運ぶのは2020年2月のフランケンシュタインぶりになりました。いろいろなことがありましたが、無事幕が下りたとのことで、相変わらずネタバレに配慮せず個人的に印象に残った場面とキャラクターへの感想を書いていきたいと思います。とにかく圧倒的なハッピーエンドでした。すごく好きです。

 それでは早速どうぞ。

 まずはあらすじから。

 ヨーロッパのとある国の王室の一員であるアン王女は、諸国歴訪の旅に出ていた。連日の公式行事や数々の祝宴、会合への出席と多忙な日々が続いていた。数か国を歴訪し、初夏のローマを訪れた。

 その夜も王女歓迎の舞踏会が催されている。ローマっ子達のお祭りは夜を徹して続いていた。心が浮き立つような音楽と人々の歓声。王女とはいえ内実は遊びたい盛りのうら若き女の子。束縛から解き放たれたいという欲求を抑えようもなく、王女は大使館をそっと抜け出た。しかし、この自由な時間も束の間、王女は寝室で医師から処方された薬の効き目のために夜の街頭で眠り込んでしまう。

 そこへ通りかかったのが新聞記者のジョー・ブラッドレー。彼はローマ訪問中のアン王女とは知らずに助け起こすが、目覚めない彼女を放っておくこともできず、やむを得ず自分の下宿に連れ帰る。

 翌朝出社したジョーは、支局長に見せられた新聞を見て驚く。記事には大きく、自分の部屋で眠る、見知らぬ若い女性の写真が紙面を飾っている。その時初めて彼女がアン王女だと知るのだった。ジョーは「アン王女、おしのびローマ見聞」の超特ダネを支局長に売り込む。親友のカメラマン、アーヴィングを抱き込み、王女の動向を捉える手筈を整える。ジョーの部屋で目覚めたアン王女は一晩泊めて貰った礼を言い、一人で街に繰り出す。王女は生まれて初めて、街を自由にめぐり、自分が今この瞬間にしたいことをするのだった。

 初夏の日差しが眩しい永遠の都ローマ。王女にとって生涯忘れることのない一日が始まる。www.tohostage.com

 

 BACK BEATのビートルズに続き、名前だけ聞いたことのあるタイトルシリーズ再び。
いつかのテレビの特集で見たことがあって超有名なシーン(スペイン坂のジェラート、真実の口のところ)だけ少し見た程度の知識しかありませんでした。あとは「オードリーヘップバーンが出演している」くらい。ほぼ何も知らないと同じですね。

 そんな状態だったので、開幕のジョーブラッドレーがダメ人間すぎて本当にびっくりしました。私が知っている知識では紳士なのかな?と思っていたので…。舞台観た今では「そりゃあそのシーンしか知らなかったら紳士の印象だよね」という感じです。でも登場シーンのたばこの煙モクモク感が危なそうな雰囲気があって好きです。かっこいい。そしてそれぞれのキャラクターとの悪友感も好きです。めっちゃ遊んでそう~!「それが人生」は聞いていて気分が上がるし、思わず口ずさみたくなるようなリズムで大好きな曲です。あとダンスも推しは身長が高いからか(?)、見ていてかっこよく見えるし好きです。CD発売してほしいし、欲を言えばDVD、いやBDでほしい。通勤中のテンアゲソングとして聞きます。
 そんなチャラい雰囲気ありまくりだったので、アーヴィング役の藤森さんを見たときには「あっ!職業:チャラ男の人だ!!ぴったりやん!!」とわくわくしました。(※職業チャラ男は私が勝手に思ってるだけです)そこからのカフェでアン王女、ジョーとアーヴィングが集合するシーンが!すごく好きです!!アーヴィングの呼び出された理由と流れを理解してからの流れるような「スミティー」呼び!チャラい~~~~~!と違和感ゼロすぎて感動しちゃいました。ただ本当は根は真面目な方のようで…?(笑)

youtu.be まじでローマ観光案内のところは「慣れてるねぇ!」と思ったし、チャラいけど熱い性格ってギャップ、すごくいいです。あとなんて言ったってスミティーのボケ(大真面目)とジョーとアーヴィングの返し(大真面目)のテンポが最高でした。
 でも一番印象に残っている場面は最後の王女の記者会見のところですね。その前の、寝室で伯爵夫人とかと会話するところで、失踪から戻ってきた王女の姿が失踪前とあまりにも違いすぎて「あらぁ~…しっかりして…赤のガウンが似合うようになったのねぇ」と謎に親目線になってしまってダメでした。泣きました。嫌味な大使にも堂々と自分の意見言っててより好きになりました。大使も貶めてやろうとかの気持ちはなくて、自国にマイナスなことがないようにしてるだけだと思います(そう思いたい)。わざと相手の気に障る言い方してるんか?と思わなくもないですが。
 話が脱線してしまいましたが、記者会見前夜で涙腺が刺激されてからのジョーとアーヴィングが出席する記者会見じゃないですか。王女にとってはもう会えないと思っていた人たちとの思いがけない再会のシーンですよね。この時点で危なかったです。そして、二人に気づいた王女が明らかに動揺しているところに、ジョーがヨーロッパ各国の関係に例えて「友情が裏切られることはない」と答えたところで堪えていた涙腺をまた刺激されました。すごく好きなところです。それと同時にジョーがそう答えた瞬間に「悲恋かと思ってたけど友情エンドキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!」とテンションめっちゃ上がりました。
 本当に王女とジョーとアーヴィングの出会ってから最後の場面までの関係性というか、やりとりが好きです。王女とジョーにとっては失恋で悲しいかもしれませんが、お互いに前を向いて思い出としてしっかり切り替えている雰囲気を感じました。空気感が仕事でめちゃくちゃ仲の良い人とのそれ…。

 何か壁にぶつかっても、努力して乗り越える姿が大好きな私にはたまらないストーリーですし、好きな場面は?と聞かれたら「全部です」と答えたいぐらいどこも好きです。そして、カーテンコールで王女、ジョー、アーヴィングの三人の雰囲気とかが、まじで仲の良い友達とアホなことをやって笑っていた学生時代を思い出して最高に”エモ”でした。ノスタルジーがやばかった。終演後にその友達に連絡取りそうになるぐらいテンション爆上がりです。
 でも本当に振り返ってみると、セリフにもありましたが「あの思い出のあの時の感情だけは絶対に忘れない」というものはかけがえのないもので、そのおかげで乗り越えられたことはたくさんあったなぁと思います。だからこそ王女に共感しましたし、自分の立場を忘れることなく覚悟を決めた姿はとてもかっこよくて憧れます。今回の舞台でその感情を思い出したことがまた「絶対に忘れない思い出」の一つになりました。うまく言葉にできませんが、とても好きな舞台でした。書こうとすると箇条書きになってしまうのが辛いです。将軍と伯爵夫人から王女めちゃめちゃ愛情受けていたなぁとか、王女もそれを十分に理解していたんだろうなぁとか、嫌な人は誰一人いなくてどの役も好きだったなぁとか。映像化してほしいなぁ。告知も何も、雰囲気すらあるように思いませんが、映像化されるまで東宝さんのYouTubeを見て何度でも思い出そう思います。

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