ただのOLのブログ

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ミュージカル『ジャック・ザ・リッパー』大阪公演 感想

 秋なの?夏なの?どっちなの~~?という季節と気温の中幕が上がり、本日無事大千秋楽を迎えられました。びっくりするぐらい暑かったです。
 それでは早速ネタバレありで感想書いていきます。


 ストーリーを振り返る前に、まずは会場のことについて書いていきます。
今回の会場は「フェニーチェ堺」。遠征するなら、新大阪や伊丹空港から移動するよりも圧倒的に関空の方が近い堺東にあります。さらに言えば、神戸や京都よりも場所によっては和歌山の方が近いという、まぁ…移動に工夫が要りそうなところですよね。
 堺東は前に行ったことがあるんですが、いざ歩いてみたらだいぶ景色が変わっててびっくりしました…。ただロータリーで演奏してる外国人の方は相変わらずいてなんか安心した。そして会場はというとこちらになります。

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 なんかもう立派すぎてびっくりした…。建物内も「劇場」というよりも「ホール」という感じですごかった()です。堺東、当たり前だけど古墳アピールがすごくてその印象しかなかったけど、いい意味で裏切られました。最初は二度見した。

 思った以上に長くなりましたが、それではストーリーから。

1888年ロンドン。

刑事のアンダーソン(加藤和樹松下優也は娼婦だけを狙う、ジャック・ザ・リッパー”と呼ばれる殺人鬼(加藤和樹堂珍嘉邦を追っていた。残忍な犯行で解決の糸口も見えないため、マスコミを排除し非公開で捜査を進めようとする。 しかしロンドンタイムズ紙の記者、モンロー(田代万里生)はスクープ記事のネタを狙って アンダーソンに近づく。 モンローは、麻薬中毒者で金が必要なアンダーソンの弱みにつけこみ、情報提供の取引に応じさせてしまう。

4度目の殺人現場で、アンダーソンの前に男が現れ「犯人を知っている」と告白する。「そいつの名前はジャックだ」と。 彼は、7年振りにアメリカからロンドンにやってきた外科医ダニエル(木村達成小野賢章。 7年前、ダニエルと元娼婦のグロリア(May’nはジャックと出会っていた。

犯行が重ねられ事件は混迷を極めていく一方。 アンダーソンはダニエルの告発に基づき、おとり捜査を計画するが、ロンドンタイムズ紙は “ジャック・ザ・リッパー”の殺人予告記事の号外を出してしまう。 そして、アンダーソンと彼のかつての恋人だったポリー(エリアンナ)までもが事件に巻き込まれる。

 

果たして、殺人鬼“ジャック・ザ・リッパー”の正体とは…?
そして、本当の目的とは…?

horipro-stage.jp

 舞台の進み方?展開?が一番最初に物語の結末がきて、その後もモノローグがあって時間軸がどんどん動いたりするので最初の方は「????伏線めっちゃある…」という感じですが、最後はまるで名探偵コ●ンのように「!!そうか!そういうことか!!」とストーリーがつながるようになっているはず。
 ただ私は頭の整理がうまくできず、研究所爆発するところまで「つまり今はどの時間軸?」「あの意味深なセリフはどこと繋がっているの?」と大混乱でした。ナンセンスだけど誰か図表にしてほしい。いつも通り前情報に限りなく触れないようにしていたのでジャック・ザ・リッパーだからミステリー要素強いだろうと勝手に思い込んでいたのと、あと韓国ミュージカルだからか歌の圧が強い。それと、どちらが先なのか知りませんがすごくフランケンシュタインっぽさを感じる。演出の方が同じだからそれっぽい要素を感じるのかも…?
 だからもうパッションで心の赴くままに、役の印象を書いていこうと思います。

●ダニエル(木村さん・小野さん)
 大混乱させられた人その1
  
 いきなり出てきたと思ったら「犯人の名前はジャック」とだけ言って、こっちになんで知ってるの?という疑問を持たせてジャックとの邂逅シーンに入るけど、話が進んでいったら「さっきシーン、あんたの供述内容なんかーーーい」と思ってしまいました。
 その時に「え、じゃあさっきのシーンと今とじゃ時間あきすぎてるし、内容が真実だとは限らなくて嘘があるかもしれないよね?」と一度思い込んでしまったため、その後はもう大変。「どこかで矛盾があるはず」「いつから間違い探しが始まるの」との思い込みが頭の片隅にずっとあって、にもかかわらず話は進むしモノローグが入って時間が戻るし。自分の思い込みのせいですなんですけどね…(´・ω・`)
 2幕でも「いやこれあんたの供述内容かーーい」というところがあった気がしなくもないですが(もう忘れてる)、てっきり「ジャック生存→共犯説で確定か…?」とまたしても思い込みをしておりまして、おかげでおとり捜査後の研究所シーンでまたしても混乱\(^o^)/
あ~、共犯じゃなくてジャック死亡、ジキルとハイド的なこと?
 ↓
???? ジャックは(概念)だった…?
 ↓
ということはどこから嘘でどこから真実??
という感じです。すぐに理解できるようになりたいものです…。ところでお二人とも観劇することができたのですが、同じ役でも結構違う印象を受けました。
 木村さん:知的。女は知ってるけど恋は知らなさそう。賢いからこそ道を踏み外しそう。
 小野さん:天真爛漫、純粋無垢(失礼を承知で書きますが、ヒロインとのやり取りがかわいかった)。だからこそ道を踏み外しそう。

●アンダーソン(加藤さん・松下さん)
 個人的にすごく好きな役

 人を殴るし、キメたりするけど、のろけ話に2時間付き合ったり捜査はちゃんとしてるっぽいし悪い人ではなさそう。それとポニーとどういう過去があったのかはわからないけど、ポニーの話では不器用そうな人に思いました。バラを渡すか渡さないかしているところはじれったくて、どっちか決めなさいよ!!どっちつかずが一番ダメってわかるでしょ!!!と好き勝手に思ってました。そしてアンダーソンも役者によってかなり印象が違ったなと思いました。
 加藤さん:あの、一般企業で例えると部長職とか課長職に就いていらっしゃいますか…?現場叩き上げ感するし、どっしり構えてるように見えるし、モンローとは弱みを握られているけど振り回されているように見えなかったです。そして、ダニエルに「どうしてロンドンにいるのか」と問い詰めているときに二人して「まーたのろけ話始まったよ」な雰囲気の時には友情芽生えてる…?と思ってしまいました。あの雰囲気好きです。
 ポニーとのやり取りは、はじめから諦めの方が強いように感じました。過去に何があったのよ…。
 松下さん:若手感強い。あとインテリっぽくてこれから出世していくんだろうなという印象。モンローはもちろん、市民や他の記者たちからも翻弄されて余裕がないように見えました。…とか言って、配信見たらまた変わったりして。でもまぁ、モンローにいいように利用されてるなぁと強く感じましたね。
 ポニーとのやり取りは、最高に切なくて甘ーーーい感じでとても”””いい”””。後悔?しているように見えてマジで何度「ちゅーしないかな」とか「抱きしめれば両想い待ったなしでしょ」と思ったことか。…情緒もなにもない。

●ジャック(加藤さん・堂珍さん)
 大混乱させられた人その2

 まじ、いつ「お前が俺で、俺がお前で」状態になったの?あといつの間に(概念)に?その概念は人間は時に秩序や規則よりも本能を優先させる面があるということ?わからん…。加藤さんは、快楽殺人者で「人追い詰めるの楽しー!人殺すの楽しー!」な感じがしたけど、堂珍さんは職人的殺人者というか。感情の揺れが少なくて何考えてるかわからなくて怖いし、淡々とやってそうな感じが怖い。すごく異質だった。ところで堂珍さんで言うと、ケミストリーの曲は聞いていたしapple musicに入れてるしでキャスト発表されたときは「え!?堂珍ってあの堂珍!!?」とすごくびっくりしました。声もドスがきいていたので、そんな声出せるんだ、、さわやかな歌声と全然違うじゃん、、、とめちゃくちゃ動揺した。兄弟でお金を出し合ってCD買ったりしたなぁなんてことを思い出したりして。まさか舞台で拝見するときが来るなんて…。

●グロリア(May'nさん)
 今作品のヒロイン

 ダニエルのこと責めたりしてたけど自分きっかけなんじゃないの、と思わなくもなかったです。それで物語が進むからなところもあるけど…ねぇ。アメリカに渡航するにあたっておんぶにだっこは嫌だから懸賞金が欲しかったのかもしれないけど、めっちゃリスクある方法選ぶやん。ところでMay’nさんも曲をよく聞いてたしなんなら友達とカラオケで歌ったりしてました。歌声がほんとそのままですごい()
 何かに対してとてもポジティブなことを伝えたいのに、いつまでたってもすごい以外の言葉が全然出てこない自分にがっかりです(/_;)

●ポリー(エリアンナさん)
 姐さんとお呼びしたい

 2幕の殺される前のアンダーソンとのやり取り好きです。用件も聞かずに了解したのには、本当にどんな過去があったんだと思わずにはいられなかったです。外では強く見せているだろう姿と、二人っきりになったときの少女のような姿のギャップはやめてほしい。好きです。でも「あなたのそばは安心する」みたいなことを言っておいて「酔っぱらいの戯言だと思って忘れて」というのはダメよ…。そんなの絶対に忘れられないよ…。それだけ「娼婦」という立場が重いのかな…。姐さん……。

●モンロー(田代さん)
 アコギな商売してんねぇ!!

 本当にイライラさせられました。でもおかげで暗くなりすぎなかったのかなとも思います。あとアンダーソンが誰かによって、かなり印象が変わったなとも思いました。加藤さんだったら「あしらわれてるわ~」という印象でしたが、松下さんだと「めちゃくちゃ邪魔してこない?」という印象でめちゃくちゃ鬱陶しい人に見えました。ただ、そんな中でアンダーソンに代わってモンローがタイプライターで記録している時の座っている姿が、スッとしていてとてもきれいだったのを覚えています。モンロー実は育ちいいような気がする。
 印象的なシーンは、研究所に入る直前で警官2人をあっさりと殺したところです。あまりにもあっさり殺しすぎでなんで?と思ったし、中にアンダーソンがいるからこれ死ぬか捕まるかして退場フラグ立ったなとも思いました。殺さずもっとうまく入れたんじゃないの…?まぁなんにせよ、モンローがいるからこそ面白くなったところもあるのかなと思います。

 感想としてはこんな感じでしょうか。難しいなと思ったところもありましたが、十分に楽しませていただきました。公式サイトで公演の配信が11/9まで行われていたり、DVD・BDが出そうな気配を感じる本作品ですので今後の動きが見逃せないですね。