ただのOLのブログ

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10/3-6 『怪人と探偵』兵庫公演 感想

10/3-6にかけて公演されたミュージカル『怪人と探偵』兵庫公演の感想です。

思いのほか長くなってしまい、とっ散らかっています。

※ネタバレあります※

stage.parco.jp

 日本発の新作ミュージカルとあって、幕が上がる前からPVが公開されたりとなかなかない宣伝がされていました。(渋谷のスクランブル交差点の街頭ビジョンにもそれが流れたとか…)

正直推し(加藤和樹さん)が出演されているので最初から見に行く選択肢しかありませんでしたが、公開されたPVがすべて私好みのもので、なおかつ横浜公演が大好評だったと聞いていたので期待はかなりしていました。

まずは最高のPVを貼り付けますね。

youtu.be

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最高。テンション上がる。では早速感想を。ざっくりいうと、

  1. ストーリーがすごく頭にスッと入ってくる、わかりやすい
  2. 展開が早くて飽きない
  3. 推しがかっこよかった

こんな感じでしょうか。

  • まず①ストーリーについて。
    江戸川乱歩作品は一度舞台「黒蜥蜴」を見たのとアニメを見たぐらいであまり触れていませんでした。ですが、日本が舞台で日本の作品とあってか、登場人物の関係性はとても分かりやすかったですし、時代の空気感や登場人物たちの背景もとても想像しやすかったです。「あっ!これ歴史の授業で習ったことある!」に何度も助けられました。
    終演後は「何が悪で、何が正義か?」「本当の自分とは?自分は何者か?」と考えさせられました。特に北大路家が没落貴族となっても贅沢がやめられず「娘を政略結婚に出せば結納金が入ってまた遊べる、怪人二十面相が狙っている宝物を爆破すれば保険金が入る」と企んでいるシーンや、冒頭の美術館に収められている宝物が実は調査団が半ば強盗のようにとってきたものと世界の美しい宝物を盗む怪人二十面相との対比など、わかってはいますがモヤモヤしますね。やってることは同じように思えるのになぜ違うのだろうって。

 

  • 次に②展開について。
    新作ミュージカルと銘打たれていますが、私の想像以上にたくさんの楽曲が使われていました。音楽がない時間がないのではないかと思うほど本当に音楽が流れていた印象です。ですので若干重めのテーマを感じるところもコミカルなシーンなどで違和感なく、むしろ怪人チームの方々の派手な衣装にアニメ的要素を感じつつ、3時間近い公演時間があっという間でした。何度か観劇した中で正直トイレタイムまだ…!?と思う時があったのですがそんなことを余裕で忘れさせてくれました。流れる曲がどれも耳に残るものばかりで何度聞いても飽きません。公演CD希望です!パンフレットに歌詞が載せられているので、それを見ながら改めて聞き直したい。そして公演の余韻に浸りたい。難しいようならサントラ化のほどをよろしくお願いします!

 

  • 最後に③推しについてと登場人物について。
    今回ありがたいことに前方列で見る機会があり近い距離で見ることができました。普段写真等で「整った顔だな」と思ってはいますが、今回「本当にきれいな顔なんだな」と何度もハッとさせられました。なんででしょう?今回の明智小五郎という役柄は、PV段階では怪しい笑みを浮かべたり怪人とどちらが悪役かわからないとまではいかないまでも正義…?という印象。実際、怪人二十面相と対となっており、怪人の犯行もその予告も「また悪さがされてしまう」というよりも「また謎を解くことができる」と怪人と同じようにゲームとして楽しんでいるみたいでした。コ○ンくんみたいでしたね。あくまでも想像ですが、謎解きによってリリカ(慶子)の両親を自殺に追い込んだ過去があるからこそ、怪人二十面相という謎を解き明かしても絶対に問題のない(むしろ称賛される)相手は明智にとって貴重な遊び相手だったりするのかも、と思ったり。だから冒頭の二十面相が宝物を盗んだ謎を解く場面で楽しそうに笑っていたのかな。

    劇中では手品のような仕掛け?があって、警官に紛れる明智探偵を探したり(下にスーツを着ているので着ぶくれして動きにくそうでしたw)、入院中探偵団の誰かと入れ替わったり(医者が掛布団をかけるタイミングで明智探偵はベッドから降り捌けるんですが、びっくりするぐらい低い姿勢で素早くササーッと移動されて「えっ!?そんな姿勢でそんなスピードで移動できるの!??」と思わず声が出そうに。忍者になれそうだった)、と今作品ならではの楽しみもありました。

    最初観劇した時はリリカ(大原櫻子さん)にめちゃめちゃ感情移入しそうになって、明智が救出するために来たときは「よかった…!よかったね…!!」って思いましたが、怪人二十面相との結婚式のシーンではマユミ(フランク莉奈さん)と同じように「いや、お前どっちやねん」と思ってう~~~~~~~んという感じでした。リリカではなく、田口慶子として生きていくと決めたから明智を選んだとわかってはいるのですが、怪人二十面相が言っていた「怪人の愛と竜太郎の愛に違いはない」と思ってしまうんですよね。ところで竜太郎とリリカがお互いに距離を縮めていくシーンは中川さん、大原さんの素晴らしい演技で見ていて面白かったです。最初はリリカから距離を詰めていくんですが、「え?そんなにぐいぐいいく?」と不自然なぐらいいっていて(思い返せば結婚詐欺?まがいのためには自然なことだったんですね)、竜太郎も竜太郎でそれをぎこちないけれど受け入れて応えていく(リリカを抱きしめる手が「ぎゅっ」ではなく「そっ」な感じが温室育ちの御曹司っぽくで好きでした)→竜太郎がどんどん積極的に→実は怪人でした~とネタばらしでどんどんとリリカに対する竜太郎の態度が明らかに変わっていって、とてもよかったです。
    最後の明智のシーン、直後は「どういうこと??????」と混乱しかありませんでした。なんとなく思いついたことは、明智と怪人は光と影のように対の存在。明智にも怪人と似た部分はあって、どちらが正義で悪と判断されるかはあくまでも社会の価値観という相対的なもの。明智にはリリカ(慶子)がまだ仮面をかぶっていて本当の自分を出してないように思う。覆い隠されている真実を解き明かしたい性質の明智だけれど、それは怪人のように「悪」と判断されることもある。「正義とは何か?本当の自分とは?」がテーマ?とわからないながらもぼんやりと整理してみました。あ、でもそうするとリリカの両親のことを全く無視していますね。う~ん?
難しいですが、こうやって終演後にああでもないこうでもないと、いろいろ考えて作品の余韻に浸るのは最高に幸せな時間でもあるので大好きです。考えるためには忘れないよう定期的に楽曲を聞き返さないとなので、CD化もしくはサントラ化は本当にしてほしいです。あと今日発表されましたがWOWOWも忘れてはいけませんね。

中川晃教×加藤和樹「怪人と探偵」が12月にWOWOWで放送決定 - ステージナタリー

 

今回も素敵な舞台に出会わせてくれた推しに感謝を。

(千秋楽のカテコで大原さんが「ありがとうございました」と言い終わって涙があふれてしばらくうるうるされていたの、今思い返しても最高にかわいらしかったですし、それを温かく見守っていた加藤さん最高でした)